ありのままの君で
全ての始まり
4月。
桐島学園高等部入学式。全国有数のお金持ち学園である。

「中之条 恵」
「はい!」

「陣織 美優」
「はい」

「恵比寿 夏実」
「は〜い」

「沼澤 真由」
「…」
「沼澤 真由!!」
「…!! はっはい!!」

「クスクス…」
「何よ…」
夏実が必死に笑いをこらえている。

「いや、入学初日から何ボーッとしてるのかなぁと思って」

「まぁ…ちょっとね…」

夏実はあたしの顔を見て何か悟ったように笑った。

「あとでキチンと聞くから!」



沼澤 真由 十五歳
そこそこお金持ち。

ここは全国有数のお金持ち学園、桐島学園。その中で一番のお金持ち、

「桐島 愛実」
「は〜い」

彼女はこの桐島学園の理事長の孫娘。校内の最大権力者。

そして…
私がずっと片思いしている鈴木和輝の恋人だった。
勝てるハズない最悪のライバルだった…。
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