however close to you

チーム分けをした結果、爽さんとあたし、汐莉さんと空実という組み合わせになった。

「爽は男なんだからハンデちょうだい」という汐莉さんのお茶目なお願いを受け入れて、五点のビハインドから試合は始まった。

先に二十五点獲得した方が勝ちで、負けた方は罰ゲームとしてかき氷を奢るのがルールだ。


「うあっ」
「わっ」


ちっちゃい汐莉さんがいるんだ、正直五点のビハインドくらい余裕っしょ。

…と思っていたのが阿呆だった。


「やったー!空実ちゃんナイス!」
「汐莉さんもなかなかのトスでしたよ」


あたしは忘れていたのだ。

空実が中学高校とバレー部だったってことを。


「棗!こっからガチでいくぞ!」

「りょーかいです!」


ただの遊びで始めたはずが、気付くと四人とも本気になっていた。

体にまとわりつく汗すら、どこか心地よい。体を思いっきり動かすのはいい。余計なことを考えなくて済む。
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