however close to you
当然。きっとふたりが何にも考えずに受けている“当然”を、こんなにも欲しいと思う人がいることを、ふたりは知らない。
もう、追いつけない。時間は先手必勝だ。先に出会ったが勝ち。
あたしがこれから知る爽さんの嫌いなものは、すでに汐莉さんも知っているだろう。
あたしがこれから爽さんとの思い出をいくつ作っても、その間に汐莉さんもいくつも作るだろう。
追い越すどころか、追いつけやしない。
わかってる。わかってるけど。
だから、好きにならなきゃよかったんだって。だめだったのに。絶対、苦しむってわかってたのに。
ばかだ。ばかばかばか。
あんみつが、好物のはずなのに、もそもそと味気ない。