however close to you


「棗」



名前を呼ばれて、息が崩れた。


夜が、加速する。

月が輝きを増すごとに、海はざわざわと潮騒を強くする。




「好きだ」





見つめられる鋭さが、漂う緊張感が、風の音が、潮の香が、夏が、爽さんの言葉が嘘ではないのだと、証明する。
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