however close to you
「おまえが毒吐かなくなるなんて、俺と汐莉が別れるよりありえねーよ」
爽さんは、腕を組んで大袈裟にうんうんと頷いた。そして喉を鳴らしてまた缶を豪快に傾ける。
今日は暑い。
「ううわ、褒め言葉に見せかけたおノロケですかあ。いいですのう、リア充さんはよお」
「ぶっ、なんだよその口調」
「わっ、きたなっ。カルピス飛んできたんですけどー!」
「おまえが笑わせるからだろーが!」
爽さんとはいつもこんな、お笑いコンビみたいな感じだ。
「ふふっ、相変わらずだねぇ。爽もなっちゃんも」
「汐莉さん」
おはよー、とにこにこしながら、汐莉さんは爽さんの向かいに腰を下ろした。小柄ゆえに、まさにちょこん、という効果音がぴったり。