彼女が笑えば、世界は色づく。




「そうかい。元気にしちょうか?」




「元気なのは元気みたいだけど……」




でも、元気じゃない。



「おじいちゃん、なんで森野さんのこと……」
 



その質問はおばあちゃんの声にかき消された。







「ほら、爽ちゃん。お風呂入ってしまいんさい。身体冷えてるけん、風邪引くよ」






「うん」


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