彼女が笑えば、世界は色づく。





「ありがとう」



爽がちょうどそう言った時、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。





「教室戻ろう」



爽の言葉に立ち上がるが、先に戻っておいて、と森野蒼が言った。


「どうしたの?」




「なんだか悪い予感がするから」



そう言って、少し笑った。


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