三行ラブレター
既に陽は傾きかけていた。
今日は授業が終われば帰れると思いきや昼間、ある仕事を頼まれた。
内心クソアマなんて想いながらも
表では見せられても嬉しくないであろう私の笑顔が顔一面に広がっていただろう。
自慢じゃないが、愛想笑いじゃ誰にも負けない自信がある。
そんな事露知らずちぃちゃんは鞄に荷物を詰め込んでいる私へ振り返り言った。
「夏樹、今日カラオケ行くけどどうする?」
「あ、ごめん。今日図書委員」
「そっかそっか。また今度2人で行こう」
「うん、ごめんね。楽しんで来てね」
残念そうに眉を寄せたちぃちゃんと別れ、私は図書室へと向かった。
本が好きで図書委員になったは良いが、私が後輩な所為か先輩ギャルは当番を押し付けてくる。
今日もそれに該当する訳だが、ギャルが来ると思っていたであろう男子生徒は私を見て舌打ちをした。
何でこんなブスが来んだよ的な?
悪かったなーギャルより劣る私が来て!
内心苛立ちを隠しながらも返却手続きをして既に1時間。
男子生徒もいつの間にか何処かへ消えていた。
大丈夫か、図書委員!未来の図書委員を若干気にかけてみる。