三行ラブレター
「そんなんだから押しつけられるんだよ。僕の妹になるんだからこれからはもっとビシッとしな」
「わーーー!そんな大声で言わないで!」
「ちょ、――」
僕の妹、と言う言葉を聞き慌ててテーブル越しの日向の口をふさぐ。
運よく既に帰宅していた生徒により、図書室は私たちだけだった。
目を見開く日向に「ごめんなさい」と我に返った私は謝った。
椅子に座れば「まだ夢なんじゃないかなって思って」と苦笑を零して。
昨日家族4人で食事会をした。
お父さんの好きになった女性とは初めて会う。そして向こうにも連れ子が居て、日向ともそこで出くわした。
運命なんて感じない。
だって日向は10も離れた私の担任なんだから。
俯く私に日向は口を開く。
「今日婚姻届の提出らしいから僕らはもう兄妹なんだよ。
それぐらい頭に入れときなよね」
「…いや、だって相手が相手ですよ。担任って…」
「なにソレ。僕が相手じゃなかったら受け入れてたって言いたい訳?」
「…!いや、そんな事ないっす!全くないです、そんなこと!」
だからお得意のマシンガントークぶちかまさないで~!
心の底から叫べば日向は私を一瞥した後ふぅ、と小さく息を吐いた。