三行ラブレター
買い物
買い物当日、私たちは並んで街中を歩いていた。
メガネよりもコンタクトの方がはっきり見える。
でもやたら乾き目がゴロゴロする。
「何処行くの?」
周りの視線が痛くて思わず俯いた。
私の言葉には「オルゴールなんて良いんじゃない?」と
辺りを見渡しながら言う。
オルゴールかぁ…。
確かにプレゼントには良いかも知れない。
曲の選択は難しいが、オルゴールの上にはウェディングドレスにタキシード姿のお人形さんが乗ったものとか?
恋らしい恋はしたこがないものの、やっぱり私は夢見がちな女の子。
「ねえ、あの店はどうかな?」
古びた感じだったが、オルゴールと銘打った看板が立てかけられていた。
思わず日向の腕を掴み「行こう!」と足早になる。
「そんなに焦らなくても良いでしょ」
「ダメ!時間かけて選びたいの」
中に入れば余り人はおらず店主であろうメガネをかけたおじいさんが新聞から私たちへと視線を移した。