三行ラブレター
「プレゼントかね?」
「はい。両親への結婚祝いで」
「ほう。ならこんなのはどうかな」
足が悪いのか杖をつきながら向かった先には、私の想像していたものがあって
気分が高ぶった。
「ねえ、これにしようよ!」
「良いけど曲はどうする?」
「あ…そっか、どうしよう」
悩んでいると微笑みながら「色々あるから悩むと良い」なんて
人ごとのように言って去って行っくおじいさん。
うーんどうしよう…。
黙ったままの私に「思い出の曲なんだってさ、これ」と一つのオルゴールを開ける。
流れ出した曲は聞いた事のないもので、私はそれを聞き入っていた。
思い出の曲がオルゴールだったら凄く良いかも。
私たちはその曲を聞き、そしてそこまで悩む事もなく決まった。
2人が帰ってくるのが待ち遠しい。
浮かれて歩いていれば何処か聞き覚えのある声が聞こえた。