三行ラブレター
「そちらさんこそ何してんの、2人で」
「ま、俺たちの事はどうでも良いじゃん?」
どうでも良くないよ!
さっきほ、ホテルって聞こえてきた!
教師と生徒がハレンチ…!
「確かにどうでもいい。僕ら暇じゃないから」
その切り返しナイスだけど放っておくのか…。
サッと翻し元来た道を歩こうとすれば坂田ははっきりと大声で言い放った。
「妹、コンタクトにすると変わるんだな」
「…っ!!」
ばれてる…!
ショックのあまり日向の袖を掴めば彼は言った。
「大丈夫。坂田にしかばれてないから」
後ろでは先輩ギャルの「妹って?!」と言う声が聞こえ
日向を見上げて安堵した。
ふと後ろを見やればニヤリと口の端を挙げている悪魔のような坂田の姿が見えて
すぐに顔を戻して目を瞑った。
ばれる!どうしよう!
坂田が全部話しちゃうよ。
きっと明日にはもう全校生徒に駄々漏れだ…。
日向ファンのメンバーにいじめられる!
幸先不安だな、と思いながらも
日向の手の中で揺れる紙袋を見やり、僅かに笑みを零した。
でも、家族がいればそんな不安消えてしまうんだ。
きっと、大丈夫。―大丈夫!