三行ラブレター
綾瀬先生
季節は秋から冬へと変わった。
週に2回行われる華道部も今年いっぱいとなる。
マンモス校にも関わらず部員数が10人にも満たない事が原因みたいだ。
ほとんどの女子は顧問の先生目当てで運動部のマネージャー。
スポーツ好きな子は部員になったり、華道部の3倍以上は居る。
「もうすぐ終わりかぁ」
12月のクリスマス近くには部活の出し物が行われることになっていた。
今年最後と言う事で顧問の林先生は気合いを入れまくっている。
「3年生の子も引退しちゃって3人しかいないけど頑張ろう!」
『はい!!』
私の他には1年生の子が1人と2年生の先輩が1人。
ちぃは女子サッカー部へ入部しており、サッカー部の出し物はフットサル?のような試合のようだった。
サッカーの知識に乏しい私だが試合を見るのは楽しみで
何よりちぃの活躍ぶりに期待していた。
「夏樹ちゃん、ちょっと良いかな?」
「はーい、何ですか~?」
「これ、日向先生から」
「…鍵」
鍵を持たなくなって暫く。
そう言えば今日は皆遅いって言っていたのを思い出し、私は林先生に頭を下げた。