三行ラブレター
国語教師である綾瀬秋人。
釣り上った目が特徴的で、性格はヘタレらしい。
日野との仲が良く、プライベートでも会ったりしているらしい。
大人になってもそんな付き合いの出来る人がいて羨ましく思った。
「日向先生はどんな感じなんだ?」
「家でですか?」
「ああ。兄妹になったって朝の会議で言われた時マジびびったし」
自転車を押しながら坂道を上っていると子どもたちが走ってきた。
今にも車が出てきそうな角を横切り追いかけっこをしている様に
「あぶねぇな」と言葉を漏らす綾瀬。
見ていると1人の少年がこけて次第に大粒の涙があふれ出す。
話しも途中ながら2人で駆け寄れば「痛いよ~」と喚いていた。
「ちょっと待っててね。絆創膏貼ったげる」
私たちの登場に他の子も集まりだし、そして絆創膏を貼ると涙は何処へやら笑顔を浮かべた。
「有難う、お姉ちゃん!」
「もう坂道で走ったらダメだよ?」
「はぁ~い」
咎めた訳ではないが子どもには厳しい一言だったのか気分を落として返事をしていた。
友達らしき女の子が「たけるちゃん、行こ?」と手を差し出す。
それに答えたたけるくんは満面の笑顔で「うん!」と返事をしていた。