三行ラブレター
「あ、すみません。日向先生の事ですよね」
「あ。ああ…」
我に返った私たちは再び並んで家路を歩いていた。
「学校と全く変わらないですよ。マシンガントークだし、容赦ないし」
「そんなもん?もうちょっと家族にしか見せない顔とかないのかよ」
「強いて言えば、学校よりも良く笑う、所ですかね」
不満げな綾瀬にポツリと呟けばカラスが鳴いた。
「今まで家では1人だったから寂しくないって言い聞かせてきたんですけど
一度幸せを味わっちゃうと何だか抜け出せそうにないなぁ、って思うんです」
「…」
黙ったまま私の話に耳を傾ける綾瀬を見やれば
突然立ち止りこほん、と咳払いをする。
何なのかと思いきや「別に」と話し始めた。