三行ラブレター

お兄ちゃん

「あ、」


要するに、日向には私みたいな不細工より
あの人みたいな綺麗な女性がお似合いなんだと、痛感させられた。


って、ちょい待ち！


今の私たちは血の繋がりはなくても兄妹なんだから。
今の想いは忘れよう。
悲しいなんて思っちゃダメ。だって自分が辛くなるんだから。



色々な葛藤と戦っていると目の前にはお風呂から上がったばかりの日向が居た。
けじめをつけなきゃいけないと想う。

そろそろ、ちゃんと呼ばなきゃいけないと思う。


「廊下水浸しだよ。ちゃんと拭いてから出てきたら？」
「…ちゃんと拭いたよ」
「拭いてないから濡れてるんでしょ」


あからさまに不機嫌そうな顔をされ、肩を竦めれば次私はいろー、と言って隣を通り過ぎた。


「ねえ、夏樹」
「なに？」
「さっきの女は何でもないから」
「…―何で、」


なら何でキスしてたの？