三行ラブレター
そう問いかけようとしたけれど、言葉に出す事は出来なくて。
――辛かった。
はたから見れば女の人から無理矢理と言う感じではあったがやはり目の前にすると凄く辛い。
それはもう、泣きたくなるぐらい。
この時には既に、彼の全てに囚われていたんだ。
共に暮らすようになって、新しい一面を沢山知った。
きっと、あの日家族にならなければ
こんな気持ちを味わう事なんてなかったと思う。
「何で私に弁解するのよー!大丈夫、誰にも言わないから、―安心して、お兄ちゃん」
「…―――」
振り返り笑みを浮かべればそのまま風呂場へ向かった。
扉を閉めればその場に崩れ落ち、力なく膝に頭を預ける。
何でそんなに寂しそうな顔をするの?
何で私はこんなにも胸が痛いのだろう。
ただ、あの人の事を"お兄ちゃん"と呼んだだけなのに。
これが"恋"だ。
忘れよう、全部。
私の中で危険な警報が鳴り響いていた。