三行ラブレター


「何朝からぼけっとしてんだよ。ン?恋の悩みか?」


先生に相談してみろ!なんて興味津津といった様子で言うもんだから
私は「悩んでませんし恋もしてません」と言い切った。

恋をしてない、辺りが少しだけ悲しくなったなんて誰にも言わないよ!


大体何て悩みが"恋"に絞られているんだろう。
ため息交じりに視線を上げると女の子の群れが押し寄せてくるのが見えて私はギョッとした。



「ごめん、先生。私関わりたくないから!」

「は?!おい、氷室!」


颯爽とその場を離れる私に日野が慌てているのが見えた。
そして思った通り、日野の周りには
いつの間にか女子の群れが出来ていた。


女って怖い。

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