三行ラブレター


「タオルくらいなら貸すぜ?」

「え、良いんですか?」

「生徒見放すほど冷徹じゃないんで」

「ありがとー、せんせー」


行くぞ、と足を進める綾瀬の隣を歩きながら曇った空を見上げた。

相合傘はこんな感じなのか、ふと思ったがきっとそう言ったら綾瀬は顔を紅くする。
そう言う純粋な人なのだ。




家に着くとアパートはぼろっちくてそれでも中に入れば温かみのある部屋だった。

中に入る前に差し出されたタオルで制服などを拭き、「お邪魔します」と一言呟いてから前に進みだす。


温かいお茶が用意されていて「そんなもんしかないけど」と飲むよう促された。


「日向先生に迎えに来て貰った方がいいかもな」


ベランダの方を見ながら言う綾瀬に「そうですね、電話してみます」と頷き
お茶を一口飲めば体中が温まった。

ほっとしていると「これ、でかいけど着替えとく?」と差し出される。

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