馬渕くん、馬渕くん。





これじゃまるで、あの先輩に運命感じたみたいじゃん.....。


ヤ、ヤダ。

私の運命の人は馬渕くんなの。


ってずっとずっと信じてきた。


あの先輩に運命感じた私も私だよ。



「みつきん?

どうだったのって聞いてるんだけど!」



耳もとで叫ばれ、ビクッと肩が揺れる。

なんか...今、私、絶望的だよ。

.....自分自身に。





「それが...告白する人を間違えちゃった」



思い切って言うと。


シ、シーン...


美綺が目を天にして私を見つめた。



「そ、それって馬渕くんじゃない人に告白しちゃったってこと?」


恐る恐る聞くように聞いてきた。


観念してこくこくと頷くと。



「ぷっ」


いきなり吹き出してケラケラ笑いだした。




って、今笑いますか?!


普通、

「それは辛かったね」

って慰めたりするんじゃないの?



「アハハハハ!

お腹いたいっ...みつきんっ」


廊下のど真ん中で笑い転げる美綺に、冷ややかな目で見つめるしかない私。




< 12 / 15 >

この作品をシェア

pagetop