馬渕くん、馬渕くん。





何事もなかったかのようにすれ違った馬渕くん。

それに少し寂しさが混じる。


馬渕くんの後ろ姿がだんだん遠くなって、昼休みの人混みに混じって見えなくなる。


あ〜あ...かっこよかった。



「余韻に浸ってる中もうし訳ありませんが、その話、詳しく聞かせてよね」


馬渕くんの通った道を見ながら、フンッと鼻で笑う美綺。



こ、こいつ...馬渕くんを鼻で笑ったな?!

ゆ、許さんっ!



とか思いつつ、美綺にあっけなく教室に連行された。




「で、どんな人なの?
みつきんが間違えて告白した人って」


購買で買ったパンをかじりながらなんだか少し楽しげに聞いてくる美綺。


絶対楽しんでるよね、この人!



とか思いつつ、


「ひとつ上の先輩だった」


と答えてしまう私。



「へ〜
そんなに馬渕くんに似てた?」


「どうだろ...でも普通にイケメンだった気がする」


「嘘嘘嘘?!
先輩で?イケメン?!」



な、なにこの食いつきよう...。


そういえば美綺って年上が好きなんだっけ...?



「あ.....でもみつきんフラれたの?」



.....え?

フラれ....た?


フラれ...た、っけ。


必死になって大失態のことを思い出す。





「うん、付き合おっか」



.......。

...................。




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