馬渕くん、馬渕くん。
「...ああっ
ああああああああっ!!」
大変なことに気づいた気がします、今。
ガクガクッとうなだれる私を見て、美綺が若干引いた。
「な、なに...?
そんなひどいフラれ方したの?」
フルフルと首を横に全力で降る。
ち、違います!
ひどいフラれ方でフラれた方がもっとマシだよ!
「付き合おうって...言われ「え」
は、はやっ!
「え」って言うの早くないかな美綺さん。
「.....」
「.....」
二人ともしゃべらず、時間だけが過ぎていく。
「ついに...」
「は、はい?」
「みつきんに彼氏ができたのね?!」
あ、あの〜
声でかすぎです!!
クラスの皆さんがこっち見てます!
「良かったよ〜〜〜!
馬渕馬渕うるさかったんだからみつきん!
彼氏ができて私、嬉しい!!」
「あ、あの...別に私、まだ馬渕くんのこと.....」
好き、なんだけどな。
でも...そんなに私って馬渕くん、馬渕くんって言ってたのかな。
口ごもる私を見て美綺が言う。
「馬渕くんがこれから先、みつきんを好きになる保証なんて無いんだし?
もう、その先輩を好きになっちゃいなよ」
フフッと笑う美綺は、どこか嬉しそう。
その表情が嬉しい反面、複雑な気持ちになる。