イエロージャンキー
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「きゃ」


不意に後方からあたしの肩に絡まった腕に、小さく悲鳴を上げた。
肩と腹部に回された腕。
こんなことができるのは彼だけだ。
そう思ったら、一気に体温が上がった。


「な、なに」


どもりながら、なんとか言葉にする。
密着した背中に全神経が集中して、痛いくらいに彼を実感させた。


「ちゃんと言ってよ、お礼。」


「お、お礼?」


ちゃんと言ったよね?
ちゃんと「ありがとう」って…。




「…"大好き"って、言ってくれないの?」



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