【短編】思い出
――お祭りもいよいよ終盤。


大きい花火が打ち上げられるわけでは無いらしけど線香花火が配られてみんなでやるらしい。


さっき慧が浮かれながら言ってたから。


とりあえず俺は2本線香花火を貰った。


「どこでやるーー??」

「俺、あんま場所分かんないし慧勝手に決めてよ。」

「りょーかいッッ☆じゃ着いてきて。」


そういってどんどん慧は歩いていった。


俺も人ごみを掻き分け必死で付いていく。


何も言わず付いていくと道では無いような所まで来ていた。


「どこまで行くんだよ?」

「もうちょいだから。」


前を見ても横を見ても・・もう山の中だった。


また歩き出した慧に付いていくしかない俺はまた必死で追いかける。
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