【短編】思い出
「よっしじゃ花火やるか☆」


慧はポケットをゴソゴソし始めてライターを取り出した。


「準備万端じゃん。」

「まぁなっ。」


俺たちはしゃがんで向かい合った。


「じゃ、始めまーす!!」


2人で火をつけて線香花火が落ちないようにじっとしていた。


「きれいだな。」

「おう・・。」


こんなに短い線香花火もこの時はすごい長い時間に感じた。


空には満点の星空


俺たちの仲を見守っているような気がした。









―――このお祭りがきっかけで・・慧との距離がぐっと縮まった。


それからの俺は色んな奴とも仲良く出来るようになったし、


恋して騒いだり


変なことで笑ったり・・


本当に青春していたんだ――・・


< 21 / 27 >

この作品をシェア

pagetop