【短編】思い出
「私ね?離婚しようと思うの―‥‥。」

「お母さんが良いなら良いんじゃねーの?。」


そう言うとお母さんは安心したみたいだ。


「7月には転校するから―‥。編入試験受けてくれる?」

「―‥‥分かった。」

「じゃ、じゃぁお母さん支払ってくるわね‥。」


お母さんは今まで伝えたかった用件だけさっさと言いこの場を去った。


さっさと言って欲しいなんてウソだ。


――離婚するわ


――お母さんが幸せなら良いよ?


そんなはずねぇじゃねーか。


どこのお人好しなガキだよ。


高校3年になっても“離婚”されると悲しいと思う俺はガキなのか――?


いや


俺は今回の離婚が悲しいわけでは無い。

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