レディ・リズの冒険あるいは忠実なる執事の受難
柔らかに波打つ金髪を、長すぎず短すぎずという長さに切りそろえ、白いシャツを紺のタイが引き締めている。写真の中から見つめている表情は、どこまでも優しそうだった。
エリザベスのアイドル、ダスティ・グレンにも負けず劣らずの美形だ。
「顔だけでは結婚できないわよ、叔母様」
「……気に入らない? 一度、お会いしてみればいいじゃない。お見合いだなんて堅苦しいこと言わないから。会うだけでいいのよ、会うだけ。ね? 今度我が家のお茶会に二人とも招待するから、いいでしょう?」
にこやかな表情ながら、レディ・メアリはぐいぐいとエリザベスを追いつめていく。叔母の好意がわかるから、エリザベスも席を立つわけにはいかなかった。これが何の遠慮もない相手なら、容赦なく席を立つところなのだが。
エリザベスのアイドル、ダスティ・グレンにも負けず劣らずの美形だ。
「顔だけでは結婚できないわよ、叔母様」
「……気に入らない? 一度、お会いしてみればいいじゃない。お見合いだなんて堅苦しいこと言わないから。会うだけでいいのよ、会うだけ。ね? 今度我が家のお茶会に二人とも招待するから、いいでしょう?」
にこやかな表情ながら、レディ・メアリはぐいぐいとエリザベスを追いつめていく。叔母の好意がわかるから、エリザベスも席を立つわけにはいかなかった。これが何の遠慮もない相手なら、容赦なく席を立つところなのだが。