レディ・リズの冒険あるいは忠実なる執事の受難
レディ・メアリから届けられた手紙を読んだエリザベスは、仕事場の机の上にぐったりと倒れこんだ。
レディ・メアリも何かと忙しい。エリザベスを家に来るようにと招いたものの、ばたばたとしていて今日明日というわけにもいかないらしい。
エリザベスが「今すぐ行きたい」と言えば、全ての予定を取りやめてくれるだろうが、そこまでするつもりはエリザベスにはなかった。
「三日後、となるとあまり時間がないわね」
レディ・メアリが泊まりに来るようエリザベスを誘うのはそれほど珍しい話でもない。こちらに戻ってきたばかりの頃は一緒に暮らそうと誘われたこともあった。
彼女には子どもがいないからエリザベスを娘のように思ってくれているのだろう。叔母の好意はありがたいのだけれど――この家にいる方が気楽でいい。
エリザベスは、タイプライターを叩いているマギーを手招きした。
「マギー。あなたにも一緒に行ってもらうから、適当に支度しておいてちょうだい。荷物が入りきらなかったら、私のトランクに入れてくれてもかまわないわよ」
「わあ! レディ・メアリのお宅に連れていってもらえるんですか? 嬉しい!」
レディ・メアリも何かと忙しい。エリザベスを家に来るようにと招いたものの、ばたばたとしていて今日明日というわけにもいかないらしい。
エリザベスが「今すぐ行きたい」と言えば、全ての予定を取りやめてくれるだろうが、そこまでするつもりはエリザベスにはなかった。
「三日後、となるとあまり時間がないわね」
レディ・メアリが泊まりに来るようエリザベスを誘うのはそれほど珍しい話でもない。こちらに戻ってきたばかりの頃は一緒に暮らそうと誘われたこともあった。
彼女には子どもがいないからエリザベスを娘のように思ってくれているのだろう。叔母の好意はありがたいのだけれど――この家にいる方が気楽でいい。
エリザベスは、タイプライターを叩いているマギーを手招きした。
「マギー。あなたにも一緒に行ってもらうから、適当に支度しておいてちょうだい。荷物が入りきらなかったら、私のトランクに入れてくれてもかまわないわよ」
「わあ! レディ・メアリのお宅に連れていってもらえるんですか? 嬉しい!」