這い出ろ!サダ子さん
冷やし中華とツナマヨに舌鼓を打ち、ご満悦の貞子。

「御馳走様でした!こんな美味しいもの頂いちゃって、や~、何てお礼を言っていいやら」

「いいよ、そんな高いもんじゃねぇし」

空の容器を片付けながら、俺は言う。

「それにしても、こんな美味しいものがお手軽に食べられるなんて、世の中進歩しましたねぇ、コンビニといいデジタルテレビといい」

「そうだぞ、ブラウン管から這い出る時代は終わったんだぞ?」

「そ、そうなんですか…」

「ああ、今の若い奴は、『ブラウン管』なんて言っても分からない奴だっているからな」

「そ、そんなっ」

「そりゃそうさ。生まれた時からカラーテレビで育った奴らだからな。街頭テレビで力道山のプロレス中継見てたって言ったら、お前笑われるぞ?呪うどころじゃなくなるぜ?」

「そ、そうですね…私も呪いのビデオテープの主として、もっと現代の事勉強しなくちゃ」

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