這い出ろ!サダ子さん
「あ…あれ?」

戸惑ったように女は振り向く。

「ぬ、抜けない…嘘っ、太った?」

ジタバタと暴れる女。

「久しぶりの現世なのに~!」

噂に聞いた呪いのビデオテープの主は、随分と可愛い声だった。

そんな声に誘われて、恐る恐る近づいた俺は、長い前髪をサラリと掻き分けてやる。

色白黒髪で長身華奢、可愛らしい顔立ちの美少女…。

途端に。

「なっ?いきなり何をっ?」

慌てて前髪で顔を隠し、女…いや女の子は怒った。

「私を何だと思ってるのっ?」

「おぅ…何者だよ…お前…」

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