這い出ろ!サダ子さん
「もう…」

貞子は俺の上に馬乗りになったまま、上気したように頬を赤らめた。

「ミイラ取りがミイラになるって、こういうのを言うんですかね…?」

サラリと零れ落ちる美しい黒髪を掻き揚げる貞子。

「今日で七日目…どんなに考え直そうと思っても、お兄さんを呪う気になれませんでした…」

「え…」

顔中にキスマークをつけたまま、俺は貞子を見上げる。

「もしかして、お兄さんが私を呪ったんですか?だから私、お兄さんを呪えなくなっちゃったんですか…?」

「え…や…あの…」

< 68 / 70 >

この作品をシェア

pagetop