鏡に映る

「…疲れた」
リビングにあるソファーに胸からダイブすると、いくらフワフワでもその衝撃が顔叩いた。
「痛った〜」
固く目をつぶり、痛みに耐えるほんの僅かな間にも、朝から何度も聞いた言葉が繰り返される。

「大丈夫?」「無理しないでね」「何かあったら、いつでも話して」
ありきたりで、なんのフォローにもならない言葉。
本当に好きだったなら、本当に愛しい人だったら、軽々しい言葉にも少しは励まされたのだろう。
でも、私は彼を好きだったわけじゃない。
あいつが私を好きで、告ってきたから付き合ったっていうだけのこと。

「今日から、最愛の彼氏を亡くした可哀想な子か…」
今の自分の立場。
声に出して言うだけでも、十分に可哀想で同情されそうだ。







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