イジワルなキミの腕の中で


なんて余裕っぽく先輩をからかっていると、不貞腐れたような瞳が向けられて。



「この俺にんなこと言うのはお前ぐらいだ」



なんて真剣な声が耳元で聞こえたかと思うと、先輩の方にグイッと引き寄せられた。



「ちょ、ちょっと……」



胸の中にスッポリ収まる形になって、息遣いがすぐそばで聞こえるほど近い距離に先輩がいる。



私の小さな体は


大きな航希先輩に完全に覆われて身動きが取れない。



「まだ俺のこと可愛いとか言えんの?」



その艶やかな声に背筋がゾクゾクする。


それと同時にドキドキが止まらない。


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