イジワルなキミの腕の中で
なんだかあまり頭に入らないまま、先輩と2人で校舎を後にする。
今日は帰ってから予習しなきゃ、こんな時間まで残って勉強した意味がない。
冷たい風が吹き付ける中、先輩が私の手を取って歩き出した。
ドキッとするけど、手を繋ぐのは嫌いじゃない。
「明日はどうする?」
マフラーですっぽり首元を覆った先輩が、そんなことを聞いて来る。
「え?」
明日?
「土曜だけど、勉強すんだろ?俺もバイト休みだし、付き合ってやるよ」
「ほ、本当?いいの?」
テスト前最後の大事な休日なのに。
勉強しなくて、本当に大丈夫なの?
「いいも何も、クリスマスがかかってるしな」
先輩は、私の目を見てニッと笑った。