イジワルなキミの腕の中で
「なぁ」
「ひゃあっ」
いいいい、今っ
耳舐めたよ、この人!!!
ビックリして目をまん丸くして固まる私に、先輩がクスッと笑ったのが気配でわかった。
「こんなことされてもまだ俺のことが可愛いんだ?」
ううっ。
絶対ワザとだ。
ワザとこんなことをして楽しんでる。
先輩はいつもそう。
私の反応を見て楽しんでる。
「どうなんだよ?答えろよ」
甘く囁かれるその声に
ドキドキがどんどん増していく。
ワザと聞いて来ているであろうのに
航希先輩はそんなことを微塵も表に出さない。