イジワルなキミの腕の中で


「なぁ」



「ひゃあっ」



いいいい、今っ


耳舐めたよ、この人!!!



ビックリして目をまん丸くして固まる私に、先輩がクスッと笑ったのが気配でわかった。



「こんなことされてもまだ俺のことが可愛いんだ?」



ううっ。


絶対ワザとだ。


ワザとこんなことをして楽しんでる。



先輩はいつもそう。


私の反応を見て楽しんでる。



「どうなんだよ?答えろよ」



甘く囁かれるその声に


ドキドキがどんどん増していく。


ワザと聞いて来ているであろうのに


航希先輩はそんなことを微塵も表に出さない。


< 11 / 177 >

この作品をシェア

pagetop