イジワルなキミの腕の中で


なんでそんなに怒っているのかなんて、全然わからない。



甘い雰囲気は一切なくて、突き刺すような視線を感じる。



そんな時にドキドキする私は、どこかおかしいのかも。



ありえない展開に顔も真っ赤で、視線を泳がせながらあたふたしてる。



だけど不安と緊張から体が強張った。



ガチガチに固まって、まるで木にでもなった気分。



「そうやって固まるのは、他の奴らと同類の俺に触れられたくないから?」



「…………」



わからない。


でも明らかに言えるのは、先輩は他の先輩とは違う“特別な人”。


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