イジワルなキミの腕の中で
顔は真っ赤なのに心はモヤモヤ。
なんだか変な感覚。
こういう時、どう反応するのが正解なんだろう。
わからなくて顔を背けようとすると、先輩の手がそれを阻止した。
目が合ったかと思うと、勢い良く唇を塞がれて体がビクッと反応する。
「んっ……っ」
低い声とは裏腹に、温もりを帯びたその唇。
ほろ苦いコーヒーの味がするのは、さっきまで先輩がそれを口にしていたせい。
今までに経験したことのないような激しいキスに心臓が追いつかない。
「んんっ……っ」
クラクラして思わずそんな声がもれる。
なんだか、自分が自分じゃなくなってしまいそうで怖い。