イジワルなキミの腕の中で

角度を変えて、何度も何度も私にキスを繰り返す先輩。



「ん、や、やだ……っ」



気付くと私はそんな先輩の胸に手の平を当てて、拒絶するように押し返していた。



だけど先輩は一向に止まる気配を見せなくて、逆にどんどんヒートアップして行く。



濃厚なキスに目の前がクラクラして、まるで知らない男の人のように見えた。



先輩の唇はやがて首筋の方に移動して来て、さすがの私もそれにはかなり抵抗があった。



「あ、あの……っ、そろそろ、帰らない、と」



胸をぎゅうぎゅう押し返す。


だ、だって……！


こんなことになるなんて考えてもなかった。



聞こえているくせに、聞こえていないフリをする先輩の唇は、それでもまだ止まらない。



くすぐったいやら

恥ずかしいやら

なんだか変な気分。