イジワルなキミの腕の中で
あー!
もう!
わからないことだらけで頭がおかしくなりそう。
簡単に触れて来ないでよ。
全然恥ずかしくないってフリをしないで。
私はこんなにもドキドキしてるのに。
玲奈の言うように、やっぱり先輩は“そんなこと”しか頭にないのかな。
……わからない。
もう何もかもが。
「うーっ!」
机に額を付けて髪の毛をわしゃわしゃ掻き回す。
ダメだ。
モヤモヤしたまま勉強に集中出来ない。
今日はもう寝よう。
なんて思いながらベッドに横になろうとすると、ミニテーブルの上に置いたスマホの画面が光っていることに気付いた。
ドキッ
その名前を見て鼓動が跳ね上がる。
大きく名前が映っているから電話だ。
ど、どうしよう……。
なんて言われるんだろう。