イジワルなキミの腕の中で


「い、いひゃい」



ホッペをつねられうまく話せない。



恨めしげに先輩の顔を見ると



「マヌケなツラだな」



と笑われた。



誰がそうしてんのよっ!!


まったくもう。



なんとかそこから脱出してプイとそっぽを向く。



「すねんなよ」



「すねてません」



「じゃあなんでそっち向くんだよ?」



離れても航希先輩は私の顔を覗き込むようにして近寄って来る。


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