イジワルなキミの腕の中で
ようやくテストも終わって、ホッと息をつく。
6割くらいは出来たと思うし、多分大丈夫だろう。
「終わったー!解放感がハンパねー!」
答案用紙をまとめて先生が出て行った後、精魂尽き果てた央太がヘニャヘニャと机の上にうなだれた。
「どう?補習は免れそう?」
そんな央太の肩をポンッと叩きながら、からかうような瞳を向ける。
今だって私は央太の恋を全力で応援してる。
もちろん玲奈の恋もね。
“早くくっ付かないかな”なんて思うと、ついついからかいたくなっちゃうんだよね。
特に玲奈の気持ちを知ってから、そう思う気持ちが強くなった。
「余裕」
「そっか、良かったじゃん!」
ピースサインをして見せる央太に、にっこり笑った。