イジワルなキミの腕の中で


クスクス笑われたけど、スルーを決め込んで帰り仕度をする。



今日はこれから玲奈と約束があるから、なんだかウキウキ。



先輩は今日は閉店までバイトだから、放課後は会えない。



会ってもテスト中だったから、駅まで一緒に帰るだけだった。



ぎこちなさはあったものの、いつも通りに接してくれるから、今では普通にしていられた。



あの日以来、なんて呼んだらいいのかわからなくて名前を呼べずにいる。



だけど“先輩”とも呼べなくて。



“光流や智沙と同類なんだ?”


その質問にも返答出来ないまま日々を過ごしていた。


< 152 / 177 >

この作品をシェア

pagetop