イジワルなキミの腕の中で


ウキウキしながら迎えたクリスマス当日。



白の可愛いモコモコニットと、裾がふんわりしたベージュの膝上丈のスカートを着て待ち合わせ場所に向かった。



足が細く見えるロングブーツと、今日は少しだけ気合いを入れてメイクもしてみた。



駅に着くと先輩は柱にもたれかかりながら、ダルそうに立ってスマホを触っていた。



「お、お待たせ!」



私の声にゆっくり顔を上げる先輩に、小走りで駆け寄りながら、満面の笑みを浮かべる。



「走らなくてもいいし」



吹き出しながら顔を緩める先輩は、相変わらず今日もカッコ良い。



少し傷んだオレンジに近い髪色に、襟足の伸びた髪型。



今日は寝ぐせは見当たらなくて、ワックスで綺麗に整えられていた。



といっても、チャラい感じなんだけど。


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