イジワルなキミの腕の中で
Ⅳ
次の日
先輩とは朝は別々に行ってるので、会えるとしたら昼休みになってから。
偶然すれ違ったりすることはあまりなかった。
「よう」
授業と授業の合間の休み時間に自販機でジュースを買っていると、後ろから誰かが話しかけて来た。
振り返るとそこには加野(かの)君が目を細めながら立っていた。
「わ、加野君。久しぶりだね」
加野君は央太の友達で、よくクラスにも遊びに来るから仲良くなった。
「だな。元気?」
相変わらず派手な加野君は、自慢の大きなピアスを揺らしながら近寄って来る。