イジワルなキミの腕の中で
「マジで大丈夫かよ?」
「いやー。てへっ。大丈夫!じゃない、かも……」
「…………」
唖然として黙り込む先輩。
私も愛想笑いをしてみせるけど、これは本気でヤバイかもしれない。
自分がここまでバカだとは思わなかった。
これじゃバカって言われても言い返せないよー。
「ほらボーッとすんな。次の問題やってみろ」
よそ見をしていると軽くコツンと頭を叩かれた。
「うー、わかんないよ」
「どこがだよ?」
「全部」
「数こなしてりゃ嫌でもわかるようになるからとりあえずやれ」
先輩は案外スパルタで。
ここ数日ずっと問題を解かされ続けている。