イジワルなキミの腕の中で
Ⅵ
次の日
今日は珍しく央太が休みだったので、お昼休みは玲奈と過ごした。
教室の片隅で机をくっ付けてお弁当を広げる。
こうして玲奈と食べるのはかなり久々。
私は昨日のことを玲奈に相談してみた。
「そこまでまだ気持ちが大きくないってことなんじゃない?」
玲奈はご飯を突きながらそっと口に運ぶ。
そして真剣な目で私を見た。
「で、でも、大好きなことに変わりはないんだよ?それなのに」
「焦らなくてもいいと思うけどな〜。佐伯先輩はほら……!色んな噂があったしさ!先輩が初彼の萌絵には刺激が強すぎるだけだよ」
「それはつまり、経験豊富だってこと?」
「そ!だからすぐそこに結び付けちゃうんだろうけど、萌絵の反応が普通だと私は思う!から、気にしない方がいいよ」
玲奈はそう言ってニッコリ笑った。