イジワルなキミの腕の中で
「付き合いが長くなるにつれて、自然と触れたいって思うようになるんじゃない?萌絵にはスローペースが合ってるって!」
玲奈はそう続けた。
確かに玲奈の言う通りかもしれない。
先輩は私よりも遥かに経験豊富で、色んな女の人と……っ。
そう考えると胸の奥がチクンと痛んだ。
痛くて痛くてヒリヒリする。
考えたくない、そんなことっ。
胸が締め付けられて苦しい。
でもだからこそ、簡単にそういう関係になろうとする先輩のことが怖いのかもしれない。
私もその人達と一緒なのかなって……。
嫌でも考えちゃう。
「うーっ、考え過ぎて混乱して来た」
色んなことが渦めいて、ぐるぐると頭の中を駆け巡る。