オレンジの片想い

高木は、咲歩が好きだ。



高木はまだちゃんと言葉にして咲歩に伝えてはないけど、なんかもう溢れ出ているのだ。それを抑えることも恥じらうこともなく放出しているから、本当に好きなんだろうなあって思う。



「そ....そんなの、あたしからは.....」


「わは、咲歩が照れてるー」


「咲歩って自分の恋愛の話になるとダメだよね。わたしらには良いアドバイスくれるのに」



まあ、否定しない辺り本当に喜んでたんだってことが伺える。



高木は咲歩を好きなこと、堂々としている。それを見て咲歩が頬を染めるのを、からかうのがちょっと楽しかったりした。


学校が違うから、眺めることも出来なくなっちゃったんだなあ。



「後で高木にラインしよーかなあ」


「わーもー!この話やめよ!」


「あはは」



にやにやしながら咲歩に視線を送ると、全力で話を逸らされた。



咲歩は、高木のことをどう思ってるのかな。



訊いても教えてくれないのはわかってるから訊かないけどさ。でも、嫌ってはいないのは、彼女の態度やらで感じ取れる。彼女から言ってくれるのを待つしかないか。わたしだって沢山待たせたもんね。



「あーあーええと...ふ、ふたりとも制服ニアッテルヨ」


「なぜに片言....」



こんな取り乱す咲歩は滅多に見られない。しっかり者でいつでも冷静なイメージが定着してるから、アンバランスすぎて笑ってしまった。

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