オレンジの片想い
「雪葉ちゃん!おはよう~」
「おはよう」
ああ、なんでこんなに可愛いの。ほんと自分がきもちわるい。でも可愛いもんは可愛いんだから仕方がない。
昨日初めて喋って...というか、喋ったうちに入らないかも。正しくは挨拶だけだ。
後はずっと蒼真と小夏ちゃんが話しているのを聞いてただけだから、わたしと小夏ちゃんは初めて話すも同然。さらに彼女は蒼真の想い人で。そんな人といきなりふたりきりなわけで。
そのまま無視して先に行くことなんてできるはずもなく、小夏ちゃんと肩を並べて歩く。
....何、話したらいいんだろう。
学校はもうすぐそことは言え、沈黙なんかになったら短い時間も長く感じるし、何より気まずくなってしまう...そう思って、頭を回らせ話題を探した。
「雪葉ちゃん、クラスどう?」
「えっ?あ、ああ!まだ全員とは話せてないけど、友だちはできたよ」
考えれば考えるほど案が浮かばないわたしより先に、小夏ちゃんが話を振ってくれたのだ。
「小夏ちゃんはどうだった?」
「あたしも雪葉ちゃんと同じ感じ」