オレンジの片想い
2限目は世界史だった。
1時限目のときから思っていたけど、高校って短縮授業とかないんだなあ。昨日入学したばかりなのに、今日からもうお弁当持ち。
だから昨日、すぐに委員やらを決めたんだな。
...眠いなあ。
前の授業とはうってかわって、担当は老いた男性教諭。その声にうとうとしながら、教室を見渡してみた。
みんなわたしと同じ状態。だけどさすが進学校というか、中学のときのように寝ている人がいない。
それもそうか。初日の授業くらいみんな真面目にするよね。
右側を観察していたとき。反対側からガタン、と音がして、反射的にそちらを振り返る。そこにあった光景に、思わず息が多く混じった笑いが漏れた。
「......っふ」
その音の正体は、うとうとしすぎて頭を支えられなくなったまま、思いきり机に額を打ち付けた蒼真の音だったのだ。
それでもなお、寝ている。
このまま大笑いしてしまいたいけど、してしまえばただの変人になってしまう。まだ周囲の人との交流がないのに、それはできないので、慌てて口を手で覆った。
ここにいた。初回にも関わらず寝る奴が。